紫外線から考えるビタミンDと骨粗しょう症の問題
紫外線から考えるビタミンDと骨粗しょう症の問題
オーストラリアは日差しが本当に強いですが、その反面、ビタミンDという栄養素については必要量の80%はこの紫外線に当たることで満たしているというように言われています。
ただ私の周りのメルボルン在住日本人女性が立て続けにビタミンDの不足を指摘されたことで少し考えることがありました。
ビタミンDというものはなんとなく「骨」というイメージがあるかもしれません。実際そうですし、さらに骨と言ったらカルシウムの血液中のカルシウム濃度に関わるので、カルシウムの役割にも関わってくるのです。そのため、カルシウム=骨、はもちろんのこと、筋肉の収縮や神経伝達、免疫機能にも影響があります。
さてそんなビタミンDですが、人間の皮膚にはビタミンD前駆体のプロビタミンD3が存在し、日光の紫外線によってビタミンDがつくられるのです。そのため、日光によく当たる生活をしている人はビタミンDの不足を心配する必要はないというわけなのです。
ただし、夜型生活の人や、日焼け止めや紫外線を防止する化粧品を常用する人は、皮膚でのビタミンD産生量が低下するのです。SPFの基準は8以上のものとされています。
日本では肌色は白い方が美しいとされる傾向にあり、また将来的なシミなどを気にする美容意識の高さからも日焼け止めを常用する文化、日傘や腕のカバーのようなものをしっかりされる方も見かけたことがあります。SPFは高ければ高いほど良いというか、SPF30のものがスタンダードでSPF50というものもかなり出回っています。
しっかり紫外線をブロックする、ということが実は皮膚でビタミンDを産生するということをブロックするということと同じことが同時に起きているということを知る必要があるのではないかと思います。
原因はもちろんビタミンDだけではなく様々な要因が絡み合って発生しますが、私が日本で病院に勤務していた頃、50−60代の女性の多くが、変形性膝関節炎やリウマチ性関節炎、70代以降の女性の多くが骨折などで入院、骨折特に大腿骨(太もも)や腰などで入院される方を多くお見かけしました。
この記事を読んでいる方はアクティブな10代から30代くらいの世代かと推察しておりますが、今を考えたら美白の方が重要課題かもしれませんが、必ず来る自分の50代以降の「骨」の健康のために、紫外線の必要性やカルシウムやビタミンDという栄養素のことを頭の隅に入れておいても良いのではないかと思います。
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紫外線から考えるビタミンDと骨粗しょう症の問題
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