留学先でのマナーは他人の家でのマナー

留学先でのマナーは他人の家でのマナー

私が海外で違和感を感じることの一つが、移民者、明らかに旅行者と思われる人のマナーについてです。

先日、メルボルンの市内で地図を片手にしてキョロキョロしていたグループの一人が歩きながらタバコを吸い、その吸い殻を道端に捨てた姿を見かけました。

先日タスマニアに行ったことは私の考え「美しい土地に居られることの感謝」という思いを増長させたことは間違いありませんが、オーストラリアの人を見ていると同じように彼らの持つ自然という宝を大切に扱って感謝、尊敬の念を持っているように感じてなりません。そんな彼らの宝物を、旅行者、移民のような外から入ってきた人が汚すという行為は本当に失礼な行為だと感じます。

これは私の場合ですが、年齢的なこともあるかもしれませんが、昔は環境問題などについて考えてもそこまで真剣に考えることはありませんでした。ところがオーストラリアに来て、美しい自然に触れているうちに、この美しいものを守りたいという気持ちが自然と考えられるようになったのです。

私は完全なベジタリアンではありませんが、あまりお肉はいただきません。

それも以前は健康・栄養の観点からお肉類を減らすということを挑戦していました。今は、のびのびと暮らす動物たちも私たち人間と同じように彼らの人生を生きていて、嬉しい時は笑い、優しくされれば嬉しくなったり、嬉しくて涙を流し、嫌なことをされれば悲しい顔をし、痛めつけられたら苦しい顔をする、私たちと同じ存在なんだと感じてからは、彼らを殺してまで本当にその彼らの死体を食べたいのかという思いが頭に浮かぶようになってからは食材の選び方が変わったと感じています。

さて、そんな想いが私を苛立たせるのですが、私にはまだオーストラリアが自分の国だという感覚は全くありません。

私は移民者で、現地の人間ではないという意識が強くあるので、現地のオーストラリア人がすることについてはさほど感情を動かされることはないのですが、移民者や旅行者がする行為については、他人の国に来て汚していくとは何事だ、というような感情になります。

私には、日本に来た海外からの旅行者が、ゴミをばら撒き、騒音を立て、日本人を殺害するようなそういったことと同じようなことだと思うのです。他人が入ってきて、現地の土地、人々の大切にしているものや人を奪い、去っていくまたは支配する。または去っていくから、支配するから気にしないで好き放題にするのかもしれません。

例えば自宅は綺麗にしている方が、他人の家やホテルなど自宅でない場所では好き放題、汚し放題にするということがあるかもしれません。「自分で片付けなくて済む」「汚れるのは自分のスペースではない」という気持ちは人を雑な感覚にすると思えて仕方ありません。

自分のスペースという感覚ですが、そもそも大きく見ていけば地球のどこにいたって「地球」という一つの同じ土台に生きています。自分の部屋だけ汚れなければいいのか、自分の家だけ汚れなければいいのか、自分の国だけ汚さなければいいのか、アジア圏さえ汚染されていなければいいのか、日本を囲む海さえ綺麗であればいいのか。

温暖化による影響で氷山が溶け始め、海面が上昇して将来的には存在しなくなる土地もあります。

日本でも素晴らしい経済的発展の途中で環境汚染による公害なども発生したことがありました。

自分の家からゴミを出せれば自分の家は綺麗。ゴミ収集所からゴミをセンターに運んでもらえればそのエリアは綺麗。

ゴミは日本の土地からいなくなれば日本はOkかもしれませんが、その代わりに空や海を汚した影響は日本はもちろん海外の他の国の人にも影響が出ます。

日本の夏はここ最近は毎年猛暑、最高温度が上がり、30度を超えるのは当たり前のようになっています。

10年前はどうだったでしょうか。30度になると発表されたら、そんなに暑くなるのかぁと思った記憶があります。

それが今では30度と言われれば、むしろそんなに暑くないという感覚になってはいないでしょうか。

人間の体温というものは非常に重要で、36度の平熱の人が38度になった時、尋常じゃない変化を感じることだと思います。たったの２度の上昇です。40度を超えたら生命の危険を感じるようになると思います。平熱からたった４度上がっただけのことです。もちろん外界の温度は体温にも影響を与えます。蒸発するので水分摂取も必要になります。水も汚染されているのでしっかりフィルターにかけられたものが必要になります。すでに水道水は飲めない、飲みたくないという人も増えています。日常生活に環境汚染の影響は確実に現れています。

女性が○○ちゃんのお母さんと呼ばれることが悲しい、自分は●●という人間なのだという「個」の感覚や母親である前に女性であるとか、職業で呼ばれる以前に●●という人間なのだという言い方がありますが、同じように私たちは日本人であるという前に人間という生き物なのです。日本に住んでいるという前に地球に住んでいるのです。